看板は、つければいい訳ではない。

看板のお問い合わせがあって打合せに行くと、「ここに看板をつけたい」「LEDの看板にしたい」などと、最初から看板の設置場所や看板の形状の話をする人がほとんどです。

病気をして、診察も受けていないのに医者に「頭痛の薬をください」と言うのと同じです。
その頭痛がどこから来ているのか、様々なケースがありますし、その処方もいろんな方法があります。

「どうして看板をつくることにしたんですか?」と聞くと、「古くなったから」とか「目立たないから」など、的を得ない答えが返ってきます。

看板は、ちゃんとついていて、目立っていれば満足というお客さまが多いのには驚きます。

それでいて、「予算がない」とか「安くしてくれる?」とかいう人がいます。

看板のもたらす効果よりも、値段の方が重要であるかのようです。

看板は、経費ではなく投資です。

前回も言いましたように「売上アップにつながらない看板はただのゴミ」です。

看板が新しくなっただけで、何も変化がないのであれば、はっきり言って1円でも高いです。

逆に、客数が140%とか売上が120%にアップするなら、それに見合う予算を出してもちっとも惜しくないはずです。

「確実に売上が上がれば、いくらでも予算は出すよ」という答えが返ってきそうです。

それは、思考が逆です。

人はいつも、「結果が出たらがんばる」ではなく、「結果を出すためにがんばる」のではないですか?

つまり、大きな成果を求めたら、それに見合う投資や努力が必要です。

まず、何のための看板なのかを明確にしましょう!

それによって、予算も準備も覚悟も決まってきます。

看板の目的とは

看板には、いろいろな目的があります。

  • 他店との区別してもらう。(屋号効果)
  • 存在を知ってもらう。(認知効果)
  • 興味を持たせる。(関心効果)
  • 欲求を起こさせる。(喚起効果)
  • 行動を起こさせる。(動機効果)
  • 印象づける。(印象効果)
  • 動線を誘導する。(誘導効果)
  • 好感や共感をもたせる。(共感効果)
  • 街の景観をつくる。(景観効果)

他にもあるかも知れませんが、私がいつも意識しているのは以上です。

「1つの看板では1つの役割」が大原則

ひとつの看板で、様々な効果を同時に担うことはできません。

2つとか3つの機能を兼ねることは可能ですが、ひとつの看板でいろんな役割を負わせようとすると、それぞれの効果は一気に下がります。

ランチェスター法則にあるように、「1つの看板で2つの役割を持たせると、効果は4分の1になる」というのが実感です。

看板の目的を明確に!

より看板の効果を発揮し、成果を出すためには、これからつくろうとしている看板の目的を明確にする必要があります。

そのためには、あなたの店の立場と現状を明確にする必要があります。

立場とは、今つかえるすべての経営資源です。

現状とは、解決または達成したい経営課題です。

立場と現状は、自分(自店)だけのことですが、売上や客数の変化は、外部要因も大きく関係します。

そこで、業界の変化、社会環境、地域環境、ライバル環境のも目を向ける必要があります。

ちょっと、だんだん難しい話になってきましたね。

しかし、お店を経営するということは、船長と同じです。

船が「今どこに向かっているのか」「今どこにいるのか」「燃料や食料は足りるのか」「天候はこれからどう変わるのか」などを常に把握して、適切な判断(選択)をしなければ、いつまでも目的地には着けません。
下手をすれば、座礁したり沈没してしまうのです。
勘だけに頼るのは、無謀運転(経営)です。

現状を整理するだけで、方向性は見えてくる

私はいつも、お客様と面談して、ヒアリングすることから始めます。

お客様の現状と立場を聞いた後、業界の動向、地域環境やライバル環境の変化について教えてもらいます。

社会環境の変化についてもお互いの認識を共有します。

私はコンサルタント業ではなく集客看板の実践家なので、2〜3時間の面談と現場検証でほぼ「何が課題で、看板で果たすべき目的な何か」を診断します。

というより、内部要因と外部要因の現状を整理すれば、必然的に進むべき方向は見つかるのです。

お客様は、いつも孤独で近視眼で全体を客観的に俯瞰する機会が少ないだけです。

ですから、私の役割はお客様の話を聞いて整理をして、あとはプロの視点でアドバイスをするだけです。

準備が7割

1回目の面談でだいたい問題と課題と方向性を確認して、2回目には1回目の話を体系的にまとめた報告書と提案書(解決策)を確認し合います。

看板のプランニングとデザインに着手するのは、それからです。

最初のお客様は、普通の看板屋さんとの打合せとの余りのギャップにかなりとまどわれます。

しかし、最初にゴールを確認し合っているので、途中でぶれたり脱線したりすることもなく、デザイン〜制作〜施工の工程が驚くほど早く進み、お客様がビックリされます。

ゴールが確認し合えたら、もう仕事は7割終わったようなものです。

ですから、全体の時間とエネルギーの60〜70%を、「看板の目的の明確化」という作業に当てています。

看板の目的は多種多様なので、具体例は別の機会にお話しします。

今日のところは、「看板はつくればいい」ではなく、
「その看板で何を実現したいのか」という目的をを明確にしないと、
つくった看板がいいのか悪いのかの判断もできない、
ということを理解していただければ幸いです。